開催プログラム一覧

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メインプログラム

鴻池朋子
《大島皮トンビ》
《高松→越前→静岡→六本木皮トンビ》
メインプログラム

①《大島皮トンビ》2019年 約W12×H4m 牛革、水性塗料、クレヨン
②《高松→越前→静岡→六本木皮トンビ》2022年 約W12×H5.5m 牛革、水性塗料、クレヨン

[日時]
5/27(土) 10:00~5/28(日) 18:00
[場所]
東京ミッドタウン ガレリア
[参加料]
無料
鴻池朋子は、人間のための表現活動として閉じた体系であるアートに強い意識改革を求め、芸術の始まりに立ち戻って人間がものをつくることへの問い直しを試みてきました。人間は、先史時代より動物を狩って食用にし、皮を被服としてまとい、また神様への捧げものとしてきました。「ナイフによって切り裂かれた動物の皮は、今はなめされてにおいもなく、こんなにきれいになっている。けれど最初はナイフで切られて、ある部位を食べられたり、道具として使用されたり、人間が生きていくために使われてきたものです。」と鴻池は語ります。鴻池朋子にとって、皮によってアート作品を制作することは、こうした原初的な関係性の表現であると共に、人間の自然に対する介入や暴力を思い出させることだともいえるでしょう。ガレリアに自由に羽ばたく2 体のトンビ《高松→越前→静岡→六本木皮トンビ》と《大島皮トンビ》は、人間と動物/自然の関係性を思い出させてくれます。
これらの作品は、資本主義の下では商品化されない切れ端として捨てられる運命であった皮を用いて作られています。それは、自然は人間の営みを超えた存在であり、商品化のためにあるのではないことをも伝えてくれます。
様々な場所に展示され、雨風と陽光によって色や形を変えてきたトンビ達は、自然は時と共に変化することを観る者に改めて教えてくれるでしょう。

アーティスト情報

鴻池朋子

絵画、彫刻、パフォーマンスなど様々なメディアと、旅によるサイトスペシフィックな表現で芸術の根源的な問い直しを続けている。
近年の個展:2009 年「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」東京オペラシティアートギャラリー、鹿児島県霧島アートの森美術館、2016年「根源的暴力」神奈川県民ホール、群馬県立近代美術館/芸術選奨文部科学大臣賞、2018年「Fur Story」Leeds Arts University、「ハンターギャザラー」秋田県立近代美術館、2020年「 ちゅうがえり」アーティゾン美術館/毎日芸術賞受賞、2022年「みる誕生」高松市美術館、静岡県立美術館など。
グループ展:2016年「Temporal Turn」スペンサー美術館・カンザス大学自然史博物館、2017年「Japan-Spirits of Nature」ノルディックアクバラル美術館、2018年「ECHOES FROM THE PAST」シンカ美術館、2022年「Story-makers」シドニー日本文化センターなど。著書に『どうぶつのことば』絵本(羽鳥書店)など。