毎年恒例、六本木アートナイトのコアタイムを締める夜明けのトークに、田上碧のひとり朗読パフォーマンスが登場。
「毎日のように朝日を見て、部屋へ届けることに飽きてしまった東向きの部屋の窓が、西の空の景色や夕日を切望する様を歌と語りで描くパフォーマンス。
建物や仕組みのなかでの生活は、安全で便利だ。しかし、そういった生きるための外殻は、体の動きも思考回路も支配して、それらの及ばない裏側や側面にあるものを簡単に無視できる構造でもある。東は東、西は西。よそはよそ、うちはうち。見ない振りで精神状態は整った、ことになる。みんな、そうやって生きる。わたしたちの窓である目が瞬間ごとに届ける景色は、一端でしかないのだ。だからこそ歌が、言葉が、想像力がある。景色を超えるために。曇りの日でも太陽が、瞼の裏に描けるように。」