六本木アートナイト2019では、従来以上に研究・教育機関との連携を強化すべく、今年度より新たな取り組みを始めましたので、その内容をご報告します。
港区内の研究・教育機関である慶應義塾大学アート・センター「都市のカルチュラル・ナラティブ」プロジェクトと共同し、履修者(慶應義塾大学学生)を主な対象者としたワークショップ「六本木アートナイトを語る―My Night Cruising」を実施しました。2019年4月から7月までの活動の様子を紹介します。

※本ワークショップの成果として履修学生14名が執筆したブログを、以下のリンクからご覧いただけます。
(web原稿アップ順、タイトルの言語でブログ本文も記載)

■Art For All: My Night Cruising at Roppongi Art Night
■アート入門としての六本木アートナイト
■Night Journey, Daydream
■六本木アートナイトでの再会
■Daydream in the Night
■六本木の蜘蛛が紡ぐもの
■今夜、家を飛び出して夢を見よう
■Roppongi Art Night 2019: A weekend journey of imagination.
■Roppongi Dreamin’
■アートとの遭遇
■My RANperience: Fun on SNS, More Fun in the Real Place
■インクルーシブ・ツアー、六本木アートナイトを楽しむ新しい方法
■Life, Life as a Metaphor for Never-Ending Life at RAN
■If you need a reason to re-explore art culture in Tokyo, Roppongi could be yours

目的

本ワークショップは、港区在学の学生に実際に区内で行われている文化活動を知り関わってもらうこと、現代アートやそのアーカイブへの関心を高めてもらうこと、また、逆に学生ならではの視点や現代アートのアーカイブを検討することを通じて、六本木アートナイトの今後の参考とすること等を目的とし、開催しました。

構成

本ワークショップは、2019年4月~7月に開催されました。第一部:理論編、第二部:取材編、第三部:発信編、第四部:アーカイブ編の四つのテーマで構成し、六本木アートナイト2019をフィールドとして、六本木アートナイトのもつ価値や魅力、およびそれらを効果的に発信する方法等を実践的に考察しながら、最終的には履修学生自身がそれぞれの興味関心に合わせ、ブログを執筆していきました。

詳細

オリエンテーション
4月5日(金)17:00〜18:00

履修学生に向けて、ワークショップのイントロダクションとして趣旨を説明する会を実施しました。六本木アートナイトのこれまでの歴史や、コンセプト、そして今年度のテーマなど、六本木アートナイトの基本情報もインプット。ワークショップの履修学生は、全14名で、自己紹介と共に、各々の専門や興味、ワークショップへの参加動機について発表してもらいました。現代アートを専門的としない学生が多く、経済学部や商学部など、所属や専門分野が様々であること、また参加の動機としてアートや街づくりに関心がある人が多いことなどがわかりました。



第一部<理論編>システム×デザイン思考のワークショップ
4月15日(月)16:15〜18:00

(講師:鳥谷真佐子氏|慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科)
六本木アートナイトを題材に、問題解決に向けたプロセスをグループで議論し、意見を共有しながら、思考を深めていくワークショップを実施。「六本木アートナイトに学生参加をより促すには?」という課題設定のもと、六本木アートナイトの実行委員や事務局など、実際に六本木アートナイトを運営しているメンバーと履修学生が混ざって数チームに分かれ、グループワークをしながら、課題に取り組みました。「物を持ちたくない傾向にある若者に向けて邪魔にならないチラシを開発してはどうか?」、「安くてシェアしやすい情報拡散方法を検討してはどうか?」、「一人参加でも十分楽しめることもアピールしてはどうか」など、様々な意見が飛び交いました。



第一部<理論編>トークセッション:「夜のアーカイブ、芸術のドライブ」
5月12日(日)14:00〜15:30

(登壇者:田村友一郎氏・「六本木クロッシング2019展:つないでみる」出展アーティスト、久保仁志氏・慶應義塾大学アート・センター所員)
慶應義塾大学アート・センターの研究分野である「アート・アーカイブ」をテーマにしたトークセッションを実施。アーカイブに関する基礎的なイントロダクションと、鑑賞者の視点からの田村氏の作品に関して所員の久保仁志氏から話をし、その後、丁寧な場所や歴史のリサーチを経て作品制作を行い鑑賞者に提示していく手法を用いるアーティストの田村友一郎氏が、アーティストの視点から制作プロセスを語りました。履修学生のみならず、一般の方にも門戸を開いたこのトークセッションでは、アート作品の制作プロセスとアート・アーカイブの関連性について広く語っていきました。従来の「絵画とその鑑賞体験」などとは異なる「記憶には残るが記録に残しにくいアート作品とその鑑賞体験」に関するアーカイブ手法の模索のきっかけにもつながるようなトークセッションとなりました。



第二部<取材編>事務局長インタビュー
5月15日(水)16:45〜18:30

インタビュー形式で、六本木アートナイト実行委員会事務局長三戸によるトークを実施しました。事前に履修学生から、六本木アートナイトに関する質問を集め、その質問にも回答する形で文化事業を担う組織と運営、今後の展望と課題等を説明。街全体のブランディングにつながる都市型アートイベントが持つ課題を共有しながら、作り手としての魅力も伝え、文化事業に携わる仕事の概観を共有していきました。



第二部<取材編>六本木アートナイト2019メインイベントへの来場
5月25日(土)、26日(日)のメインイベント時、任意の参加
履修学生が事前にリサーチ・取材したことを元に、鑑賞のプランをそれぞれが組み立て、自身の友人や知人を案内(=My Night Cruising)しながら、六本木アートナイト2019を巡りました。




第三部<発信編>成果物の提出、執筆、編集
5月下旬〜6月上旬
履修学生は、理論編と取材編の各イベント終了時に簡単な振り返りノートを書き、慶應義塾大学アート・センターのチューターからフィードバックを受け、各自のテーマに沿って、ブログを執筆。冒頭記載の通り、本ワークショップの成果としてまとめました。




第四部<アーカイブ編>まとめ/総括としてのアーカイブ
6月26日(水)16:30~18:00
「六本木アートナイトを語り続けるためのアーカイブ」をテーマに、これまでの活動をアーカイブという視点で振り返りました。実際に体験した人が執筆したブログを参照することで、他のひとに体験を共有していくことの意義を考える機会となりました。一夜限りのアートの饗宴である六本木アートナイトを一過性のものにしないために、履修学生からは、様々な意見がでました。例えば、各自のSNSで広めていくことや、一履修学生自身が制作している冊子にブログ記事を掲載することなどが挙げられ、今後具体的にどのようなアクションができるのかを話し合っていきました。また、事後的に活用する方法として、クリエイティブコモンズなど、著作権の扱いを学びながら、ブログの展開などの情報発信の方法について議論していきました。




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